atg 実相寺昭雄ブルーレイBOX

Blu-ray BOX

atg 実相寺昭雄ブルーレイBOX


発売日
2015/12/16
品番
KIXF-90314~7
販売価格
¥19,200+ 税

収録時間:4作品合計 約 520 分
(①:約144分/②:約136分/③:約120分/④約120分)
仕様:カラー/モノクロ 1080p Hi-Def 片面1層×4枚
音声:①日本語 DTS-HD Master Audio(MONO)

特典:解説書封入(解説:樋口尚文)

※単品ブルーレイの発売はございません。尚、DVDは単品のみの発売です。

■ブルーレイBOXのみの映像特典:まぼろしの『哥(うた)』137分版本編(『哥(うた)』のディスクに収録)
■『曼陀羅』『哥(うた)』『あさき夢みし』の3作品はオリジナルの予告編を収録。

収録作品:
①『無常』<HDニューマスター版> 
②『曼陀羅』<HDニューマスター版> 
③『哥(うた)』<HDニューマスター版>
④『あさき夢みし』<HDニューマスター版> 

※各作品の詳細は”収録作品はこちら”をご参照下さい。

【商品解説】
実相寺昭雄監督は、「ウルトラマン」シリーズや「怪奇大作戦」などの特撮で知られ、TBS出身の異色TVディレクターとして活躍後、1970年にTBSを退社、そして、満を持してATGで制作したのが長編映画第一作『無常』(’70年)です。仏教の原点となる”無常感”をテーマに、姉と弟の近親相姦という反社会的、反倫理的なタブーをドラマ化。独特のカメラワークによるエロティシズム、大胆な性描写で、当時、成人指定を受けるも、映画は興行的に大ヒット。さらには、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭に次ぐ映画祭とされるロカルノ映画祭グランプリを受賞(’70年)し、大きな話題を巻き起こしました。
その後、『無常』の大ヒットをうけ、『曼陀羅』(’71年)、『哥(うた)』(’72年)を立て続けに発表。『曼陀羅』は、実相寺監督のATG3部作とも呼ばれる石堂淑朗脚本作品のうち唯一のカラ―が登場する作品(パートカラ―)。あるモーテルの支配人夫婦のエロスと農耕によるユートピアの実現へ、性に奔放なカップルが次第に巻き込まれていくというストーリーです。前作以上に全篇的エロティシズムで溢れた作品となり、当時“芸術ポルノ”とまで騒がれるまでに。桜井浩子ら実相寺監督の常連といわれる俳優陣も出演。『哥(うた)』は、『無常』『曼陀羅』から、日本および日本人の原点を探ることをテーマにした3部作の完結作。旧家の没落とそれに抵抗する青年の姿を通じ、日本人の故郷とはいかなるものかを追求した作品です。そして『あさき夢みし』(’74年)は、詩人の大岡信脚本により、日記「とわずがたり」のヒロインを主人公に、13世紀後半の王朝貴族の女の生き方を描きだしています。当時のATGの予算を遥かに上回る制作費で豪華絢爛なセットも見どころ。
70年代前半に制作された実相寺昭雄監督4作品を、撮影監督である、稲垣涌三氏(『無常』『曼陀羅』)と中堀正夫氏(『無常』『哥(うた)』『あさき夢みし』)立ち会いのもと、オリジナルネガから作成されたテレシネ専用ローコントラストプリントを使用して23.98Psfのフレームレートにてテレシネ作業を実施。実相寺ワールドを堪能できる超高画質デジタルニューマスターにて甦ります。

≪最新ニュース≫
『哥(うた)』の幻の長尺版である137分バージョン本編が映像特典として収録が決定!
本商品は「ウルトラセブン」などの特撮で知られ、来年の2016年に没後10年を迎える巨匠・実相寺昭雄監督が、日本アート・シアター・ギルド(以下ATG)に遺した劇場用映画4作品、『無常』『曼陀羅』『哥(うた)』『あさき夢みし』を初めて23.98psfのフレームレートにてHD化し、ブルーレイ化するもの。テレシネにおいては『無常』『曼陀羅』は撮影監督の稲垣涌三氏、『哥(うた)』『あさき夢みし』は撮影監督である中堀正夫氏の監修のもとで色補正を実施。常に「暗さ」の映像表現を追求し、スタッフに対して「絞れば絞るほど良くなる」(撮影部の部屋に貼られた、和紙に筆文字で書かれた言葉)「眩しくて観てらんねぇよ」(ラッシュ試写時の鑑賞後の発言)などの言葉をのこしていた実相寺監督の想いを受け継ぎ、モノクロ作品は「黒」の艶・深みや階調にこだわり、カラー作品は「色を殺す」というニュアンスのもと、オリジナルに最も近づけるべく、徹底した緻密なテレシネが行われています。そんな中、『哥(うた)』の本編尺は120分であるが、実は世に発表される直前のバージョンとして監督の最も望んでいた長尺バージョンである137分版が存在し、関係者から奇跡的に監督の生前に保存用としてデジタル化されていた素材が発掘されて、『atg実相寺昭雄ブルーレイBOX』にのみ、映像特典として緊急収録することとなりました。この素材は一切のレストアを行わず、保存用として存在した素材がそのまま収録されます。120分版と比較すると、一か所や二か所をまとめてカットしたものではなく、非常に細かく異なっており、推測ではあるが、興行上の理由による【2時間以内におさめる】という命題に対する監督と編集者の格闘とこだわりの痕が見えてくる。『哥(うた)』の次作にあたる『あさき夢みし』も本編がぴったり120分であるのは偶然ではないだろう。この『哥(うた)』の長尺版がパッケージ商品として世に出るのは史上初のことであり、実相寺監督ファン必携のアイテムとなることはもちろん、日本の映画史においても重要かつ意義深いリリースとなります。またBOXには、映画監督であり映画評論家の樋口尚文氏による空前絶後の大作解説が封入されます。

【実相寺昭雄(1937~2006)】
東京四谷生まれ。1959年にTBSに入社。テレビドラマのディレクターとしての経験を積み、「ウルトラマン」シリーズや「怪奇大作戦」などの特撮として知られ、熱狂的なファンをうみだす。1970年にTBSを退社。その後、ATGで制作した長編映画『無常』(’70年)が、ロカルノ映画祭グランプリを受賞。その後、ATGで『曼陀羅』(’71年)、『哥(うた)』(’72)、『あさき夢みし』(’74年)を監督。その後も、『帝都物語』(’88年)『D坂の殺人事件』(’98年)『姑獲鳥の夏』(’05年)など話題作のメガホンを撮った。07年に公開された『ユメ十夜「第一夜」』が遺作となる。TVや映画だけでなく、TVコマーシャルや舞台の演出、小説家としても活躍。2006年11月29日死去。享年69。


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