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ATGが描く青春『もう頬づえはつかない』&『TATTOO[刺青]あり』初BD化決定!! 

この度、キングレコードでは、日本アート・シアター・ギルド(ATG)の旧作を発売している“ATGライブラリー”シリーズの最新リリースとして、『もう頬づえはつかない』(79年/東陽一監督)、『TATTO0[刺青]あり』(82年/高橋伴明監督)という異なる2つの青春を描いた2作品を最新のHDデジタルリマスターで6/12(水)に発売することが決定しました。両作品とも初Blu-ray化となります(発売・販売元:キングレコード/DVD同時発売)。
 
1960年代に発足し、既存の日本映画とは一線を画し、前衛的な芸術作品や野心的な青春映画を中心に傑作の数々を世に送り出した伝説の映画会社「日本アート・シアター・ギルド(ATG)。今回最新のHDデジタルリマスターで初Blu-ray化が実現したのは、両親を殺害した青年の実話を映画化した『青春の殺人者』(76)、高校生売春を描いた『サード』(78)などに続いて制作された『もう頬づえはつかない』と『TATOO[刺青]あり』の2作品。両作品とも当時の時代を鮮やかに映した青春映画であり、長らくBlu-ray化が望まれていた。

桃井かおりが二人の男の間で揺れる等身大の女子大生を演じ、各賞総なめ!
 1979年に公開された『もう頬づえはつかない』は一人の女子大生の愛と性を二人の男性にからませて女性の自立を描いた作品。見延典子による早稲田大学文芸科の卒業小説として発表されベストセラーとなった小説の映画化。薬剤師の夢を捨ててまで愛した男を忘れられないまま、自分のことを愛してくれる大学生と同棲を続ける女子大生・まり子を、自ら名乗りを上げた桃井かおりが全身で演じ、日本アカデミー賞主演女優賞をはじめ、各賞を受賞した。また、主人公の二人の恋人を奥田瑛二と森本レオが演じ、伊丹十三、加茂さくらなどが脇を固め、先日死去が発表された折本順吉が主人公の父親役で出演している。
 傑作『サード』(78)で青春の苛立ちを鮮明に描いた東陽一監督は「“若い女の息づかいのクローズアップ”あるいは“体温の伝わる”映画にしたい」と本作に意欲的に取り組んだ。公開時には21週連続上映を記録し、地方の劇場でもATG始まって以来の動員記録を樹立するなどATGに新たな風を吹き込んだ。
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宇崎竜童×高橋伴明 破滅へと向かう主人公の青春とは・・・。
 1982年に公開された『TATTO0[刺青]あり』は30歳になるまでに男になろうと背伸びし続けた男が銀行に篭城し、射殺されるまでの破滅の軌跡を描いた作品。1979年に大阪で実際に起きた三菱銀行たてこもり事件をモチーフに、ピンク映画界で異色作を発表し若者の圧倒的支持を獲得していた高橋伴明が一般映画デビューを果たした。
 貧困のなかで育った主人公・昭夫は15歳で強盗殺人を犯し 「30歳までに何かドでかいことをしてやる」と誓い 男としての“けじめ”のために青春を燃焼させる。破滅的にしか生きられない主人公を宇崎竜童が熱演し、高い評価を得た。主人公が一目ぼれするヒロイン役で高橋惠子(当時は関根惠子)が出演しているほか、泉谷しげる、原田芳雄、植木等、西川のりお、上方よしお、ポール牧など多彩な顔ぶれが出演し、若き日の大杉漣も出演している。また、『ガキ帝国』(81)を大ヒットさせた井筒和幸がプロデューサーを務め、各賞で高い評価を得た。
05「TATTOOあり」

『もう頬づえはつかない』
Blu-ray:http://kingmovies.jp/library/kixf-612
DVD:http://kingmovies.jp/library/kibf-1631

『TATTOO[刺青]あり』
Blu-ray:http://kingmovies.jp/library/kixf-613
DVD:http://kingmovies.jp/library/kibf-1632