観るたびに感想が変わるのは、スクリーンは自分の心の鏡
これまで、何回も観ているけど、その度に、思うことが違っている。当たり前だけど、なぜ、そんなに何回も観るのだろう?結局は、観るたびに、スクリーンの向こう側の自分と対峙し、会話しているだけなのだろうか?他の作品に比べてはっきりした筋がある分、その幅が大きくなるような気がする。始めてみたときは大好きなSF映画だったけど、もう、そんなこと、全然思わなくなってしまった。映画というより、大掛かりなセットを使った舞台を観ているような感じかな...そこが良いところでもあり、悪いところでもある...ストーリーは無用で、もはや詩の朗読と目くるめくイメージだけで良いのに...
―メタボの山猫
真理を追う面白さ☆
個人的にはタルコフスキー監督作品の中でも傑作と言える作品と思います。ここでのストーカーは道先案内人っぽい役割です。文学者と技術者という対峙する二人を未知なる領域の「ゾーン」までストーカーが案内する物語です。 本作の要点としては、対立する文学者と技術者が実は真理という同じ目的をお互いの違う世界で追究する面白さにあります。
結局、人類は解明してない宿題をまだまだ沢山持ってるてことかもしれません。
だからこそ、ラストシーンは鑑賞するチャンスがあれば注目してほしいものです。
―モールス
映画が作り出した奇跡
祈りと奇跡はタルコフスキーの重要な要素だが、彼の作品の中でもそれらが一番感激的に描かれている作品だと思う。 モノクロとカラーが使い分けられていて、モノクロは鬱屈したイメージが強く、冒頭のストーカーの日常がまさにそうだが、ゾーンに入った途端にカラーになって、自分の能力が発揮できる場所に来れた嬉しさの余り彼が草むらに埋もれるシーンの感動的なことといったら。ゾーンの中心に降る雨も暗示的。
そしてラスト、まさに、スクリーンを通して奇跡を目の当たりにしているような気分。というか、この世で奇跡はタルコフスキーの映画の中でしか起きていないような。
ゾーンに入る時の長時間に渡るトロッコの横移動の映像といい、水面を上から移し続ける移動撮影といい、映像はどれも素晴らしい。タルコフスキーのように、圧倒的に別格な映画作家の損失は大きいと改めて感じる。
―Cine_Sal
カッコ良すぎる!精神と水と光。映像に迷いが全くない!凄い!
稚拙な言葉や文字でこの作品をコメントしたくない。
しかしながら、この緊張感、緊迫感、誰もがなし得ない爆発力を感じる。岡本太郎は「芸術は爆発だ!」とかつてCMで叫んでいたが、この映画の爆発力に人間など何の意味があって存在するのか、という程度にしか思えなくなってくるこの恐怖。
カラーとセピア色の映像の交互に映し出されるシーンに規則性はない。 セピア色の現実と美しいカラー映像の幻想。そんな対比も陳腐に思えるほど、この映像のもたらす迫力は圧倒的だ。
-chokobo
久しぶりの鑑賞だったが、ほとんど全ショットを鮮明に覚えている。記憶にこびりついてくるといった感じの映像。冒頭のストーカーの家とバーのシーンで既にドギツク打ち出してくるので、ある種毒気にやられたかのような感覚に襲われる。この映画の醍醐味。それにしてもこの完璧なロケーションはすごい。
―iurii
KINENOTEより、抜粋、一部編集したものを掲載しております。