スウェーデンの南、バルト海を臨むゴトランド島。初夏の日差しを浴びながら、文筆家のアレクサンデルが息子と枯れた松の木を植えている。息子は言葉を発することが出来ず、アレクサンドルは悲嘆に暮れる。やがて誕生日を迎えたアレクサンドルの家へ、親友の医師ヴィクトルと郵便配達人オットーがやってくる。白夜、テレビは核戦争勃発の声を伝えている。パニックに陥る人々。興奮した妻のアデライデは人生への後悔と呪詛を口走り、息子は苦しんで眠っている。隣室では、ヴィクトルを誘って服を脱ぐ娘のマルタ…。アレクサンデルは、初めて神への願いを発する。「私の持てるもの全てを捧げますから、愛する人々救ってください。家も家族も子どもも言葉も、すべて捨てます」と――。