キングビデオでは、2012年からこれまで、“香港ノワール”と呼ばれるジャンルの中から、「これぞ本物」と、絶対的にお薦めする作品を、数ある中から厳選し、リリースしてきました。ジョニー・トーを筆頭に、ダンテ・ラム、ソイ・チェンら香港を代表する監督、そして、リッチー・レン、ニコラス・ツェー、アンソニー・ウォンら(勿論、ラム・シューも)、香港映画界に欠かせない俳優陣が勢揃い。
そして、この度、集大成として、10/3(金)にパン兄弟の『影なきリベンジャー』『冷血のレクイエム』『惨殺のサイケデリア』3作品をリリースします!これを機会に、過去に発売した作品とともに年代別、解説付で一挙紹介!!
タイの中国人探偵が追う連続殺人事件は、「金田一ミステリー」そっくり!?
タイの中華街を舞台に、探偵稼業で日銭を稼ぐアーロン・クォック主演のミステリー・シリーズ第一弾。知り合いのおっさんからある女を探してくれと頼まれたアーロンが、出向いて行く先々で殺人事件が発生!これって我らが「金田一耕助ミステリー」と同じ展開かと思いきや、事件は思わぬ方向へ・・・。香港からタイに渡って活躍中のオキサイド・パン監督は、フィルムをヴィデオに変換/色調整するテレシネ・カラリスト出身。それゆえこの映画のヴィジュアルも、タイの街ならではの熱気や湿気を渋い色彩と強いコントラストで表現した独特のルックが印象的だ。『セブン』(1995)で活用された現像処理の映像に近い感じ。で、物語は終盤、殺人ミステリーから突如、オカルト・ホラーへと反転する!
90年代後半に香港からタイに移り、『レイン』(99)や『the EYE 【アイ】』(02)が世界的大ヒットとなったオキサイド・パン&ダニー・パン=パン兄弟。その後、ハリウッドで、サム・ライミ製作『ゴースト・ハウス』(07)や、ニコラス・ケイジ主演『バンコック・デンジャラス』(08)を監督、ミステリー、サスペンス、スリラー、ホラーの名手として定評を上げている。
そんなパン兄弟が、従来とはひと味違う、探偵映画に挑戦したのが、本作『影なきリベンジャー』である。主演は『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』のアーロン・クォック。これまでのクールでスマートなイメージからは離れた、頼りない二流探偵を演じ、新境地の開拓に成功。共演に香港映画の名バイプレイヤーとして知られるリウ・カイチー、『大捜査の女』のケニー・ウォン、『男たちの挽歌』のシン・フイオン、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』のラウ・シーミンらが脇を固める。
なお本作はアジアを中心に大ヒットしただけではなく、香港電影金像賞(香港アカデミー賞)7部門にノミネートされた。
『ディバージェンス 運命の交差点』『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』『柔道龍虎房』『アンナ・マデリーナ』『ヒート・ガイズ 傷だらけの男たち』
『インファナル・アフェア 無間序曲』『香港国際警察 NEW POLICE STORY』『SPL/狼よ静かに死ね』『ブラッド・ウェポン』『イップ・マン 最終章』
『the EYE【アイ】』シリーズ『ゴースト・ハウス』『バンコック・デンジャラス』『リサイクル 死界』『レイン』『風雲 ストームウォリアーズ』『テッセラクト』
前作から4年、タイの中国人探偵シリーズ第二弾は、凄惨なサイコ・サスペンス。
前作の事件を解決してちょっと名を上げた探偵、アーロン・クォックとその幼なじみの警官、リウ・カイチーのコンビが挑むのは、動機不明、手口バラバラ、被害者同士の関連もまるでわからない連続殺人事件。4人の被害者たちの殺され方が怖ろしく、女たらしの男は全身めった刺し、娼婦は強姦致死、高利貸しの男は性器切断、ヤクの売人の女は鉛筆で刺殺+舌切断という悲惨さ。捜査を進めるアーロンは、それぞれの事件は別々の犯人による犯行ではなく、幼少期に心に刻まれたトラウマによって多重人格化した犯人による単独犯行、と推理するのだが・・・。今回はオカルト・ホラーに転ずることなく、ダリオ・アルジェント監督作品を思わせる、凄惨かつ悲痛なサイコ・サスペンスの世界へ突入する。
香港四大四天王と呼ばれた人気スター、『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』のアーロン・クォックが、『The EYE【アイ】』の成功後、タイからハリウッドに渡り、サム・ライミ製作『ゴースト・ハウス』、ニコラス・ケイジ主演『バンコック・デンジャラス』でその名を上げたパン兄弟(オキサイド&ダニー・パン)と組んだ映画『影なきリベンジャー』は、アジアで大ヒットしただけでなく、香港電影金像賞(香港アカデミー賞)で7部門にノミネートされるなど、高い評価を受けた。それを受け、同じスタッフ、同じキャストによってタイで活躍する私立探偵チャンの姿を描いた作品(続編ではない)がこの『冷血のレクイエム』である。ミステリー色の強い『影なきリベンジャー』に対し、この『冷血のレクイエム』は心理サスペンスの要素が色濃くにじみ出ている。
『ディバージェンス 運命の交差点』『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』『柔道龍虎房』『アンナ・マデリーナ』『ヒート・ガイズ 傷だらけの男たち』
『インファナル・アフェア 無間序曲』『香港国際警察 NEW POLICE STORY』『SPL/狼よ静かに死ね』『ブラッド・ウェポン』『イップ・マン 最終章』
『the EYE【アイ】』シリーズ『ゴースト・ハウス』『バンコック・デンジャラス』『リサイクル 死界』『レイン』『風雲 ストームウォリアーズ』『テッセラクト』
精神病の天才画家が描いたグロテスクな絵が殺しを予告する、衝撃のサスペンス。
香港映画お馴染みの脇役、出て来ただけでうれしくなるデブひげのおっさん、ラム・シューが、本作では珍しく精神病院の副院長というホワイト・カラーを演じている。しかしその太鼓腹を裂かれ、石ころを7つも入れられて殺されるという悲惨な殺人事件の被害者に。あー予想はしていたけれど可哀想。で、その殺しの犯人と奇妙な因果で結びついているのが、前記精神病院に収容されていた、天才画家といわれる自閉症の少女。彼女が床から天井まで、病室のあらゆる壁面に描き上げたグロテスクな抽象画が強烈な迫力で、犯人を追う刑事、ラウ・チンワンを脅えさせる。実は彼女の絵には、〈狼と七匹の子羊〉〈シンデレラ〉〈赤い靴〉といった童話のモチーフが描かれているのだが、その意味とは一体?
香港からタイへと移り、現在のタイ映画の隆盛の礎となったオキサイド・パン&ダニー・パン=パン兄弟。ミステリー・サスペンス・スリラー・ホラーの名手である彼らは、『The EYE【アイ】』が全世界でヒットした後、サム・ライミ製作『ゴースト・ハウス』でハリウッド進出、ニコラス・ケイジ主演『バンコック・デンジャラス』でその名を不動のものとした。そんな彼らが香港を舞台に、童話をモチーフにした殺人事件を描いた異色のサスペンスが、この『惨殺のサイケデリア』である。絵に描かれている「シンデレラ」等の童話を擬して被害者を惨殺していく犯人の動機とは?サスペンスの中に悲しき物語を織り交ぜた本作は、残酷さの中にひと味違った異色の趣きを醸し出している。製作・監督・脚本をパン兄弟の弟であるダニー・パンが手掛け、主演は『奪命金』や『盗聴犯』シリーズなど、香港の誇る人気スターのラウ・チンワン。『コンシェンス/裏切りの炎』のワン・ボウチァン、『インビジブル・ターゲット』のエレイン・コン、ジャッキー・チェン作品で有名なケン・ローらが脇を固めている。
『奪命金』『MAD探偵 7人の容疑者』
2007年
3人の鬼才監督が集ったドリーム・プロジェクト。それぞれの個性やいかに!?
T・ハーク、R・ラム、J・トーという香港映画界を代表する三人の監督が、30分ずつ演出したパートを繋ぎ、長編に仕立てた実験的お祭り作品。エンジニア、タクシー運転手、骨董屋という金に困った三人の男たちを主人公に、その他、刑事と不倫中の美人妻、ド田舎のパトロール警官、ヤクザの皆様たちが、〈金貨を散りばめた黄金の礼服〉というお宝をめぐって、行き当たりばったり(笑)の争奪戦を繰り広げる。導入部はハーク、中繋ぎはラム、ときて、締めはトーさんだが、中盤まで結構マジに語られてきたドラマは、トー組の常連、デブひげ親爺のラム・シューの出現によって、クライム・コメディへと激変。月光の下、雑草長々生い茂る沼地での銃撃戦がカッコ良く、アホらしく、まったく面白い一席。
『コネクテッド』『盗聴犯 死のインサイダー取引』『アクシデント/意外』
『イップ・マン/序章・葉問』『エレクション』『SPL 狼よ静かに死ね』
『女と銃と荒野の麺屋』『セブンソード』『初恋のきた道』
『レイン・オブ・アサシン』『MAD探偵 7人の容疑者』『スリ』
2008年
J・ウー、J・トーに次ぐ、香港ノワール第3の男、ダンテ・ラム監督のブレイク作。
『オールドボーイ』(2003)や『チェイサー』(2008)など、韓国犯罪映画ならではの容赦なき暴力描写と陰鬱で深刻なテーマ性、その影響が初めて香港ノワールにもたらされたのが本作品ではないか。車三台を巻き込んだ凄惨な交通事故が、拳銃の誤射で幼女を死なせた元刑事、重度の身体障害者の妻を看病する殺し屋、そして娘を誘拐された女性検事という重荷を背負った3人の運命を結びつけ、狂わせていく。それまで『BEAST COPS 野獣刑警』(共同監督/1998)や『ツインズ・エフェクト』(2003)などの監督作で知られていたダンテ・ラム監督だが、本作をきっかけに再ブレイク。以降、独自の“ダンテ・ノワール”を追求している。片目が灰色に変色した色盲の殺し屋、ニック・チョンの怪演も見ものだ。
刑事トン・フェイ:ニコラス・ツェー「新少林寺/SHAOLIN」「孫文の義士団」「密告・者」「ドリフト」
「エグザイル/絆」「エレクション」「ブレイキング・ニュース」「密告・者」
「セブンソード」「ラッシュアワー3」「孔雀 ―我が家の風景」
「香港国際警察 NEW POLICE STORY」「SPL/狼よ静かに死ね」
「ツインズ・エフェクト」「スナイパー:」「重装警察」「密告・者」
「男たちの挽歌」「PROMISE 無極」
貧乳でアラフォーだけど、おかしく可愛く個性的。サミー・チェンの魅力炸裂!
香港では人気スターなのに、日本にはまだまだその魅力が伝わっているとはいいがたいサミー・チェン。すらっと背が高いが、胸はペタンコですでにアラフォー。美人とも言い難いが、化粧映えする個性的な顔立ちのサミー。そんな彼女の魅力は、どんな服でもサラリと着こなすファッション・センスと親しみやすいキャラクターだ。『大捜査の女』でも捜査官らしいコンサバなスーツを粋に着こなしながら、ボケを連発。そのギャップがおかしく可愛らしい。この映画を見てサミーが好きになったら、次は彼女の代表作、ジョニー・トー監督×アンディ・ラウ共演の3本、『NEEDING YOU』(2000)、『イエスタデイ・ワンスモア』(2004)、そして『名探偵ゴッド・アイ』(2013)を見るべし。素敵だよ。
『インファナル・アフェア』シリーズ『名探偵ゴールデン・アイ』
『ラベンダー』『ドリームホーム』
『奪命金』、『ブレイキング・ニュース』
『ブラッド・ウェポン』『バレット・ヒート/消えた銃弾』
『頭文字D THE MOVIE』『傷だらけの男たち』
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』『アクシデント/意外』
『天使の眼、野獣の街』『処刑剣 14BLADES』
『インファナル・アフェア』シリーズ
『頭文字D THE MOVIE』
『アクシデント/意外』『フライング・ギロチン』
『バレット・ヒート/消えた銃弾』『軍鶏 Shamo』
『孫文の義士団』『ラスト・シャンハイ』
『新少林寺 SHAOLIN』『イップ・マン 最終章』
2009年
その事故は、本当に〈偶然〉だったのか?コッポラ作品を思わせる心理サスペンス。
偶然の事故に見せかけて殺しを遂行する4人の暗殺チームが、豪雨の夜、電線に絡ませた凧の糸と路面電車の線路を通電/スパークさせ、標的の老人を感電死させるシーンが衝撃的。その直後、チームの一人が暴走してきたバスによって轢死したことで、互いの心に疑心暗鬼が渦巻き始める。轢死は偶然か、誰かが仕組んだ罠なのか?ここからは映画は暗殺チームのリーダー、ルイス・クーが、身の回りで起こるすべての出来事が偶然と信じられなくなっていく心理サスペンスへと変貌していく。コッポラの『カンバセーション・・・盗聴・・・.』(1973)を参考にしたと思われるソイ・チェン監督の演出は、説明的なセリフを排し、自滅していく犯罪者たちの末路を非情に見つめ、その無常感が心に沁みる傑作だ。
「コネクテッド」「エレクション」「プロジェクトBB」「プロテージ/偽りの絆」
「エグザイル/絆」「ブレイキング・ニュース」「ソウル攻略」「私の胸の思い出」
「ドリーム・ホーム」「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」「スナイパー:」「殺人犯」
「新宿インシデント」「カンフーハッスル」「インビジブルターゲット」「PTU」
「インファナル・アンフェア 無間笑」「サイクロンZ」「霊幻道士2 キョンシーの息子たち」
「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」「エグザイル/絆」「ブレイキング・ニュース」
「ドッグ・バイト・ドッグ」「軍鶏 Shamo」
2010年
『ビースト・ストーカー』チームが再結集した、悲痛極まりないラブ・ストーリーの傑作。
ダンテ監督の前作、『ビースト・ストーカー/証人』(2008)で刑事を演じたニコラス・ツェーが、今回はアタマを丸めて犯罪者=密告者を演じ、殺し屋を演じたニック・チョンが、密告者を操る刑事を演じるという立場を逆転させたキャスティング。宝石店襲撃を企てている犯罪者集団にドライバーとして雇われたニコラスは、秘かに襲撃計画の情報をニックに送り続ける。しかし犯罪者集団のボスの情婦、グイ・ルンメイ(美人)と危険な恋に落ちてしまったことで、ドラマは悲痛極まりないラブ・ストーリーへと舵を切る。検問を振り切り、二人を乗せた車が暴走するチェイス・シーンに流れる「ホワイト・クリスマス」は、『フェイス/オフ』(1997)の銃撃戦で流された「虹の彼方に」に並ぶ見事な音楽演出だ。
「新少林寺/SHAOLIN」「孫文の義士団」「PROMISE 無極」「ドリフト」
「エグザイル/絆」「エレクション」「ブレイキング・ニュース」「ゴッド・ギャンブラー」
「海洋天堂」「言えない秘密」「藍色夏恋」「台北カフェ・ストーリー」
「ツインズ・エフェクト」「スナイパー:」「重装警察」「Beast Stalker/証人」
複雑なプロットと絡み合った人間関係を理解するカギは、オープニングにあり!
1:地下構内での殺し屋による警官射殺の瞬間、2:大量麻薬摘発の市警会見、3:娼婦が男にまたがり鞭を振うSMプレイ、4:食堂で刑事のスマホを持ち逃げしようとしている不良男子―冒頭から以上4つのエピソードが、モノクロ映像による凝りに凝った3D移動ストップモーションで描かれる。劇場で見た時には各エピソードの関連がつかめず、情報量の多さについていくのが難しかったが、これらエピソードを繰り返し再生し、頭に入れてから見返すことができるのがDVDのいいところ。そうすれば本作の複雑なプロットも、多くの登場人物たちの関係性も理解しやすくなること間違いなし。『L.A.コンフィデンシャル』(1997)×『ヒート』(1995)の香港版に挑戦した“ダンテ・ノワール”の力作だ。
『孫文の義士団』『ラヴソング』『天使の涙』
『ブレイキング・ニュース』『エグザイル/絆』『やがて哀しき復讐者』
『ビースト・ストーカー/証人』『密告・者』『ツインズ・エフェクト』
黒社会はつらいよ。名優たちが真顔でボケまくり、思わず吹き出す異色のコメディ。
この作品、邦題とDVDジャケからは想像できないが、実はコメディ。香港コメディといえば、ベタで馬鹿らしいお笑いが有名だが、この映画の笑いは、名優たちが香港ノワールならではの、殺気に満ちたマジな演技を見せながら、ボケにボケを重ねて笑わせるという香港製には珍しい変化球。黒社会の跡目相続問題をめぐり、数々の修羅場をくぐり抜けてきたヤクザ、ちょっと加瀬亮に似たジョーダン・チャン(スピルバーグも電話してくる大繁盛レストランのオーナー役)と、名門マフィアの跡取り息子、一瞬藤原竜也に似ているイーキン・チェン(長年のムショ暮らしで読書漬けのインテリ・ヤクザ役)という二人の候補が、どちらが跡目を取らずに済ませるか、真顔で抱腹絶倒の騒ぎを繰り広げる一席。
『アクシデント/意外』
2011年
香港版『天国と地獄』は、黒澤作品以上の〈地獄〉を描いた野心作。
『天国と地獄』(1963)は、映画史における誘拐サスペンスの金字塔だが、本作は黒澤作品の〈子供を誘拐された大富豪〉という主人公の設定はそのままに、黒澤ファンのジョニー・トー以下スタッフが、自分たちなりの『天国と地獄』にチャレンジした野心作だ。『天国と地獄』では、三船敏郎演じる主人公が誘拐犯に身代金を渡した後、人質の子供は無事解放されたが、もしもその子供が殺されていたらどうなっていたのか、というのがこの映画ならではのオリジナル。復讐にのめり込み人生を狂わされていく富豪、アンソニー・ウォンの、三船が乗り移ったかのような激情と悲哀、殺しの命令を忠実に実行する富豪のボディガード、リッチー・レンの、いかなる局面でも冷静沈着を貫く演技が見ものだ。
『インファナル・アフェア』『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』『エグザイル/絆』
『ブレイキング・ニュース』『コンシェンス/裏切りの炎』『エグザイル/絆』
「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」「エグザイル/絆」監督
ヤクザと友だちになりたくなったり、経済勉強がしたくなったりする映画。
誰でもヤクザと関わり合いになるになるのはゴメンだろう。おっかないし怖いし。だけどこの映画の主人公、いつも目をしぱしぱさせているラウ・チンワン演じるヤクザはとても感じのいい奴。お世話になっている親分の誕生祝いの会をきっちり仕切り、顔役たちから徴収したご祝儀をちょろまかすことなく上納。兄貴分が警察のお縄を頂戴すれば、知り合いに片っ端からアタマを下げて保釈金を捻出。まったく義理人情に厚い頼りになる男。こんな奴なら友だちになってみたい。しかし保釈された兄貴分がその場で再逮捕され、すぐまた大金を作らねばならなくなったラウチンが手を出すのが、シャブならぬ株、でしたという一席。熱心に経済勉強するラウチンを見ていると、こちらも勉強意欲が湧いてくる。
『MAD探偵 7人の容疑者』『盗聴犯』シリーズ
『エグザイル/絆』『ブレイキング・ニュース』
『カンフー・パンダ』『カンフー・パンダ2』※ともに声
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』『エクザイル/絆』『ブレイキング・ニュース』
2012年
『頭文字[イニシャル]D』から7年、香港カー・アクションの快作、再び誕生!
『頭文字[イニシャル]D THE MOVIE』(2005)で共演済みのショーン・ユーとアンソニー・ウォン主演によるこのカー・アクションは、冒頭から覆面パトカーを駆るショーンが、高速道路で違反車を猛追する迫力のチェイスで幕を開ける。すっ飛ぶように流れていくアスファルトをとらえた映像はスピード感満点。カー・アクションは据えるキャメラの位置と編集のタイミングによって臨場感が大きく変わるが、この映画ではCG加工に頼らず、『マッドマックス』(1979)以来の、地面すれすれとハイ・アングルからの俯瞰ショットの組み合わせで走行状況を描写し、さらにドライバーの表情、ギア・チェンジ、アクセルといったインサート・ショットをここぞという瞬間に突っ込んでくるのが鳥肌モノの快感だ。
「頭文字D THE MOVIE」「インファナル・アフェア」「軍鶏 Shamo」
「頭文字D THE MOVIE」「インファナル・アフェア」「エグザイル/絆」
「ドリーム・ハウス」
「流星花園 ~花より男子~」シリーズ
「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」「エグザイル/絆」監督
「アクシデント/意外」「軍鶏 Shamo」 「ドッグ・バイト・ドッグ」
「フルタイム・キラー」
「エグザイル/絆」